2013年8月22日木曜日

閉館の危機!の名建築:神奈川県立近代美術館〈鎌倉館〉

神奈川県立近代美術館は〈鎌倉館〉、〈鎌倉別館〉、〈葉山館〉と3館ありますが、
建築として面白いのは〈鎌倉館〉です。

The Museum of Modern Art, Kamakura 2009

鶴岡八幡宮の中に立つ鎌倉館は1951年に、
ル・コルビュジエの弟子、坂倉準三の設計により開館しました。

その建築は、コルビュジエの代表作、「サヴォア邸」のように、
建物の2階を主要部分とし、それを「ピロティ」と呼ばれる列柱が支える
構造になっており、まるで、建築が宙に浮いているかの様な外見になっています。

鎌倉館は、1階部分はほぼ柱しかない吹き抜け状態になっていて風が抜けて
とても気持ちが良いです。
また、鶴岡八幡宮の蓮池も間近なので、テラスからの眺めが素晴らしく、
自分が池の中に浮いているような気持ちになります。

2階にあるカフェ「喫茶室 ピナコテカ」も、開放的で、とても気持ちが良いです。

しかし、この鎌倉館、じつは閉館が検討されているのです。

神奈川県の緊縮財政によって、前述した3館を集約しようという話が出ており、
この鎌倉館は最も古く、2016年3月31日で、土地の賃借契約も切れてしまうため、
閉館の対象になっているようです。

また、建物自体の作りも古く、エレベーターが無い(大型の作品を搬入出来ない)、
現代の耐震基準を満たしていない、などの理由からも存続が難しそうです。

しかり、コルビュジエの系譜を感じさせる素晴らしい建築である事は間違いないので、
閉館の前にもう一度行ってみたい美術館です。

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鎌倉県立近代美術館〈鎌倉館〉



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県立近代美術館集約化で「鎌倉館」廃止方針、貴重な建築の扱いに苦慮/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社


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