◆写真上達のための展示
東京都写真美術館でとても勉強になる展示がやっていました。写真のエステ-写真作品のつくりかた
平成25年度東京都写真美術館コレクション展
平 成25年度のコレクション展は、写真の美しさはどこにある?をテーマに、3期にわたって珠玉の名作をご紹介します。「エステ」とは 「aesthetics(エステティクス)」の略語で「美学」を意味します。2期目となる「写真のエステ 写真作品のつくりかた」では、(1)アングル (2)焦点 (3)光のあつかい (4)暗室作業という写真を構成する4つの要素に着目して、写真の美しさが何によって作られているのかを考えます。学芸員が考える美しさのポイントから、 写真表現の多様性や奥深さを感じることができるでしょう。写真上達のヒントが満載の本展は、夏休みの鑑賞にもぴったりです。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1866.html#event
◆有名写真家の作品が一同に
写真作品を構成する要素を「アングル」「焦点」「光のあつかい」「暗室作業」の4つに分類していて、まず、その分類に、なるほど!と感じました。
自分で撮影する時にもこの要素を意識して撮影すると、
作品が良くなりそうな予感がします。
展示作品は、コレクションの中から、写真美術館の学芸員の方々が、
その肥えた目で選んでいるので、
古今東西の有名な写真作家の作品を一通り見る事ができます。
わたしはまだ写真歴が浅いので、写真史において重要な写真家の作品を
一同に観る事が出来ただけでも、とても勉強になりました。
◆「暗室」の重要性
どのテーマも面白かったですが、とりわけ、普段馴染みの無い「暗室作業」の項目に、私は興味を惹かれました。
暗部を焼き込んだり、特定の部分を明るくしたりといった、現在では
Photoshopで行っている作業を、昔は暗室で技術を駆使してやっていたのだと
思うと、感動です。
シャドウの部分を潰れるくらいまで焼き込んで光と陰で魅せている作品など、
とても格好良い作品がたくさんありました。
また、ネガ・ポジを反転させる「ソラリゼーション」技法を用いた作品も
展示されていて、グラフィックとして格好よかったです。
作品を作るために、「暗室」が大きな役割を果たしていたのだという事を
実感しました。
◆作品点数も解説も大ボリューム!
コレクション展だったので、そんなに作品点数は無いかな?と甘く考えていたのですが、かなりの数が展示されていて、驚きました。
また、キャプションも丁寧に技法を解説してくれているので、
密度が高く、じっくり読んでいると大分時間がかかりました。
◆なんども観たい展示
もう一度見に行っても良いと思えるくらい勉強になる展示でした。写真の事に詳しくなりたい人にはぜひともお勧めしたい展示です。
作家や、写真を紹介する展示ももちろん面白いですが、
今回の展示の様に、観に来た人が自分の撮影にフィードバックできる、
教科書風の展示も、とても面白いと思いました。
満足度:★★★★★
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