2014年5月12日月曜日

天才博士・真賀田四季の苦悩と挑戦:「すべてがFになる」森博嗣

概要

内容(「BOOK」データベースより)
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

面白かった点

森博嗣さんの作品。犀川創平と西之園萌絵が登場するS&Mシリーズの第一作目です。
他にも3作ほど読みましたが、この1作目はやはりとても面白かったです。
特に、本作のキーマンとなる天才工学博士「真賀田四季」博士の存在感がすごく、
このミステリアスで魅力的なキャラクターが、物語をグイグイ引っ張っていきます。

真賀田博士や主役の二人だけでなく、脇役も個性があって、漫画を読んでいるように、
読みやすいです。小説でここまでキャラクターを立たせられるのは凄いと感じました。

イマイチだった点

孤島のハイテク研究所…という設定が独特なので、
読んでいて、やや状況把握がしにくい印象はありました。
最後のトリックも、少し描写が分かりにくいと感じました。

ヒロインの西之園萌絵の「お嬢様」設定が、少しあざとさを感じて、
印象には残りやすい反面、気になってしまいました。

まとめ


理系ミステリー…と呼ばれていて、難しい単語も出てきますが、
トリック自体はわかりやすい(それでいて新鮮さもある)ものなので、
理系以外の人でも楽しむことが出来ます。

凄惨な事件は起きるものの、キャラクターが立っていて、
さっぱりした読み心地です。
この作品でS&Mシリーズにハマってしまい、他の作品も読み進めています。

0 件のコメント:

コメントを投稿