妻を殺した男に復讐しようと、職を辞し、男の父親が経営する会社に契約社員として入った鈴木。ところが、自分の目の前でその男が車に轢かれる。「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業だった。
命じられるままに押し屋を追った鈴木だが、押し屋に温かい家庭があることを知り、その居場所を上司に報告できなくなってしまう。
一方、自殺専門の殺し屋・鯨は過去を清算するために、ナイフ使いの殺し屋・蝉は手柄を立てるために、押し屋を探していた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/グラスホッパー_(小説)
面白かった点
◆登場する様々な種類の「殺し屋」…「押し屋」や「自殺させ屋」など、登場する殺し屋の特性が斬新だと思いました。
また、闇の世界で生きる者としての苦悩…のようなものも
テーマとして描かれていて、ただ、カッコイイだけでない、
リアルさを感じる描写が、物語に深みを与えていました。
「鯨」、「蝉」といった、殺し屋たちのコードネームもそれっぽくて
カッコイイです。
◆別々の世界で暮らす殺し屋の物語が、一つに収束していく面白さ
…それぞれの殺し屋の物語は、初めはまるで、別々の世界での出来事の様に
描かれているのですが、終盤になるにつれ、主人公の鈴木を中心に、
一気にストーリーが収束してくので、圧倒されます。
後半は先が気になり、一気に読んでしまいました。
いまいちだった点
◆主人公の存在感が薄い…殺し屋達があまりに個性的なので、主人公の存在感とその目的が、
どうも弱く感じてしまいました。
ピカレスク系の話が好きな自分には、かなり楽しめる小説でした。
それぞれの殺し屋が個性的すぎて、その風貌を想像しながら楽しみました。
伊坂幸太郎の小説はこの作品が初めてだったのですが、
他の作品も読んでみたくなりました。
満足度:★★★★★
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